最先端の機器を使って医師が患者さんを診察するようになり、以前より正確で詳細なデータを基に診察をすることが可能になりました。
しかしその反面、患者さんに医師本人が接し、打診や聴診や触診する機会が減ってきています。患者さんの中には実際に医師による触診を求めている人々もいます。
そこで看護師のフィジカルアセスメントが大切になります。フィジカルアセスメントとは、打診や聴診や触診などで実際に患者さんの体に触れ、患者さんの症状を分析することです。
フィジカルアセスメントとは患者さんを観察し、対話を交わしながら、呼吸・心音を聞き取り、聴打診・触診を行い、さらに神経学的な簡易アセスメントをも行うことをいいます。最近の医療器具が発達してきているため、フィジカルアセスメントがあまり実行されなくなってきている病院もあるようです。
心臓・血管系のアセスメント
呼吸器系のアセスメント
リンパ節の触診
腹部のアセスメント
眼のアセスメント
神経系のアセスメント
これまではフィジカルアセスメントは医師がおこなってきました。そのため、フィジカルアセスメントの知識は看護師にも要求されるとは考えられてきませんでした。
しかし最近では、患者さんの健康問題を把握し適切で安全な看護を提供するために、看護師のフィジカルアセスメントが重要視されてきており、看護師向けのセミナーや参考書なども増えてきています。また、教育機関においても力を入れようという考えに変化してきています。
訪問看護をはじめICU、CCUなどでも看護師が医師に代わり、適切なアセスメントを行う機会が増えています。また、大部分のフィジカルアセスメントでは、必ず会話・対話を伴います。患者さんの気分・体調の変化を窺う良い機会であり、メンタルな健康管理にも大変役に立つ方法です。つまりコミュニケーションと、ひいてはラポール(患者さんとの信頼関係)の形成にも一役を担っています。
フィジカルアセスメントについてご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。尚、筆者はフィジカルアセスメント研修 (イリノイ大学プログラム) を修了しています。